相続・遺言・後見

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誰しも「自分にもしものことがあったら・・」と不安に思うことがありますが、一方で相続について考えることを避けてしまいがちでもあります。
亡くなった後の対策を事前に進めることに抵抗を感じられるかもしれませんが、争いのない相続のためには、自分の財産状況を確認し、それを誰にどのように残したいのか考え、それを遺言等で実現できるようにすることが大切です。

また、突然御親族が亡くなり、遺産分割等に直面することがあります。
そしてこれまで仲が良かったのに、相続の話になったとたん険悪な関係になってしまうこともあります。
「争続」を避けるために、お気軽にお問い合わせください。

高齢化社会が進み、判断能力が低下したために自分で財産の管理等をすることが難しくなる方も増えています。
このような場合、適切な法的制度を利用しないと、詐欺の被害に遭うといった事態にもなりかねません。
成年後見・保佐・補助の申立て、任意後見制度の利用等についてもご相談ください。

 

遺産分割

被相続人が亡くなると、被相続人の遺産は共同相続人が共有している状態となります。この共有状態を解消して、確定的に遺産の帰属を決めることを遺産分割と言います。

遺産分割の流れをご説明します。

遺言の確認

遺言がある場合、その内容が法律より優先されます。
まず遺言が残されているかをよく確認しましょう。
公正証書遺言がされているかは、お近くの公証役場に行けば調べてもらえます。

相続人の確定

法定相続人は配偶者と血族相続人です。
血族相続人は、第1順位直系卑属(子や孫)、第2順位直系尊属(親や祖父母)、第3順位兄弟姉妹と順位が決まっており、上位の順位の人がいる場合下位の順位の人は相続人になれません。

一部の相続人を除外して行った遺産分割は無効になってしまいますので、戸籍を調べて相続人全員を確定しましょう。

遺産の範囲の確定

遺産には、預貯金や不動産といったプラスの財産だけではなく、借金のようなマイナスの財産も含まれます。マイナスの財産が多い場合、相続放棄(プラスの財産もマイナスの財産も引き継がない手続き)をして相続に関わらない方がいいこともあります。
相続放棄は、原則として被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申立てをして行います。

遺産の評価

不動産や未上場株式について、価値をどのように評価するのかで争いが生じることがよくあります。

特別受益・寄与分の考慮

生前贈与等により相続開始前に被相続人から「遺産の前渡し」と評価できるような利益を得た人がいたり、被相続人の事業に関する労務の提供や療養看護等に努めて被相続人の財産の維持または増加に貢献した人がいたりした場合、共同相続人間の実質的衡平を実現するために、特別受益寄与分という制度があります。

遺産分割方法の決定

それぞれの相続分に応じ、誰がどの遺産を相続するのか話し合いで合意できたら、遺産分割協議書を作成します。
不動産の登記を移転するためには、法務局で別途手続きが必要です。

話し合いが進まない場合

話し合いをうまく進められない場合、弁護士が代理人として窓口になって交渉したり、家庭裁判所の調停や審判を利用する方法があります。

親族間の話し合いが暗礁に乗り上げてしまった場合や、相手から言われた条件が妥当か分からない場合、調停・審判を考えておられる場合には、先ほど述べた遺産の評価の問題や、特別受益・寄与分について十分な主張をするため、弁護士に相談された方が良いでしょう。

 

遺言

遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、通常利用されているのは自筆証書遺言公正証書遺言です。

自筆証書遺言は、遺言者が自分で紙に書いて作成する遺言書です。
筆記用具と印鑑があれば作成でき、費用も掛かりませんが、記載方法を誤ると効力が無くなってしまいます。
このたび自筆証書遺言本文と一体のものとして添付される財産目録はパソコン等で作成しても良いとする法改正がなされました。
また、自筆証書遺言を法務局で保管する制度も始まりました。

公正証書遺言は、遺言書を公正証書としたもので、公証人が作成します。
信頼性が非常に高く、原本は公証役場で保管されるので、遺言作成者の思いを確実に実現しようとするのに最適です。
また、相続人からみると、被相続人が亡くなった後、最寄りの公証役場に行けば公正証書遺言を検索してもらえるため、安心です。
作成手数料は遺産の価額により変わります。

 

成年後見・保佐・補助

病気や事故で判断能力が低下すると、医療や介護に関する契約を結ぶこともできなくなりますし、悪質な人に騙される危険も生じます。
判断能力が十分でない人を守るために家庭裁判所が援助者を選び、援助者が本人のために活動するのが成年後見制度です。

成年後見・・本人の判断能力がほとんどない場合

保佐・・本人の判断能力が著しく不十分な場合

補助・・本人の判断能力が不十分な場合

これらの制度を利用するためには、家庭裁判所に申立てをする必要があります。
この際に、判断能力についての医師の診断書等の書類を添付する必要があります。
手続きに不安がある場合はご相談ください。

 

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